雪の轍
第67回カンヌ国際映画祭のパルム・ドール大賞を受賞したトルコ映画「雪の轍」を、有楽町の角川映画で見た。
トルコのカッパドキアという中央アナトリアが舞台だ。ここは、標高1000mもあるらしい。
きのこのような奇岩が林立した風景の中に、岩を掘った洞窟ホテル オセロがある。
このホテルのオーナーは、元舞台俳優。 妻は若く美しい。

元舞台俳優の主人公は、若くはないが、常識があり善人と言ってよい。
それなのに、家賃を滞納している家族から恨まれ、慈善活動家の妻に疎まれ、離婚して戻った妹にもいわれの無い罵られかたをする。
狭い部屋の中で、家族同士がむきだしの感情をさらし合う。
春までイスタンブールで暮らすと家を出た主人公が、駅で列車を待っている間に思い留まり、友人の家へ向かう。
ここで夜まで酒をご馳走になっているとき客から、地震があったとき被災者をホテルへ泊めず、救援隊を優先に泊めたことを責められる。
主人公はこの言葉に反応した。 世界各国から来た救援隊を泊めることで、助けられた人も多い。 そのどこが悪いのか?
日本人カップルが、客として登場する。 どうも中国じんっぽいのが気にかかる。
美しい風景、感情むきだしの会話、そしてラスト。 見ごたえのある映画だ。