開店と同時に「ことよん」に行った。
ことよんのマスターとワダアキラさんの追悼をしなければと思ったからである。
ワダアキラはPrismのギタリストで、1978年のアルバムで森園さんが抜けた後、1980年にキーボードの佐山雅弘、ドラムの青山純、ベースは勿論渡辺健の４人でつくった「Surprise」は衝撃でした。
オープニングを飾る「Full Moon」は深い森の中を抜けて川沿いの先を見上げたとき、満月が行く先を照らしてくれている。僕はそんなイメージで聴いています。ラストのワダアキラと佐山さんの兼ね合いは今聴いてもカッコいい。
ラストの「Unforgettable」は渡辺謙がつくった名曲だ。このアルバムが発表されてから数年後にNHKの大河ドラマのテーマが、あまりにもそっくりなので驚いた思い出があります。僕たちギター小僧たちは、夢中でコピーしまくった。
Prismをフュージョンバンドと表現するのに僕は抵抗がある。
彼らの音楽はイージーリスニング的な心地良い、聴きやすい音楽ではなく、「物語の場面」を観せてくれる。
ワダアキラのギターも、ときに深く淋しく、伸びやか輝きを持って様々な場面を表現してくれる。
彼らが奏でる音楽世界はプログレッシブロックに近いと感じています。
ご冥福をお祈りします。