最近の音楽思考 Ⅳ 民謡編

ショパンが故国のマズルカという民謡の要素を曲に取り入れていることは、 よく知られている。日本でも伊福部昭、黛敏郎、武満徹など多くの作曲家がその要素を取り入れている。 伊福部は、釧路でアイヌの方たちが奏でる民謡のリズムに親しんで育った。 黛は、シンセサイザーに挑戦した国内初めての作曲家ではなかろうか。涅槃交響曲を自分は民謡と思って聴いている。 武満は、「ギターのための12の歌」に民謡の要素を盛り込んでいる。 いまから振り返ればちょっとイケてない部分もあるが、冨田勲さんはシンセサイザー を駆使して新境地を切り開き、ジャングル大帝、NHKの新日本紀行など時代を超えて愛され続ける音楽を残した日本を代表する作曲家だが、宮沢賢治の世界を表現したイートハーブは、岩手の自然や岩手の人々をモチーフにしている。ここで優しく流れる旋律は、まさしく民謡だったのではないか。 最後に僕と民謡の話をすると、日本各地の民謡が聴ける酒場にデビューしたばかり。 津軽三味線全国大会を聴きに浅草公会堂へ足を運んだりしているが、まだ良し悪しを判断できる耳を持っていない。偶然、土生みさおさんという津軽三味線の第一人者にお会いし、話をする機会を得た。 僕のギターと三味線でコラボしたい。
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