開発者の75%がクラウド移行の可能性

カリフォルニア州サンタクルーズ(2023年10月30日)Evans Dataが最近発表したクラウド開発者を対象とした調査によると、クラウド環境下で作業しているソフトウェア開発者の4分の3が、開発環境を新しいクラウドへ移行することを検討すると回答している。4分の3のうち、43%は新しいクラウドへの移行を「是非検討したい」、32%は移行を「おそらく検討するだろう」と回答している。

しかし、開発済みのクラウドアプリを新しいクラウド環境へ実装することに関しては、開発者たちはあまり乗り気ではなかった。4分の3のうち、「ぜひ移行したい」と回答したのは28%のみで、35%の開発者の回答が「おそらく検討するだろう」、37%は「おそらく検討しない」「検討しない」であった。クラウドのプロバイダーを変更することで、データベースのロックインや独自のハードウェア特性や構成への対応など、さまざまな問題が発生する可能性があるが、開発者にとっての最大の難問は、コードベースを作り直す必要が生じることだ。実際63%の開発者が、新しいクラウドのプロバイダーに移行する場合、コードベースの大幅な手直しが必要になると回答している。事実、ほぼすべてのコードベースが何らかの手直しを必要としており、新しいクラウド環境に移行する際に手直しが必要ないと回答した開発者はわずか4%だった。所謂大手企業の大規模で古いコードベースほど、より手直しが必要になるようだ。

本調査は今年9月に実施され、誤差の範囲は4.8%である。クラウド開発のさまざまな側面が調査対象となっており、中でもマルチクラウド構成、クラウド移行、データセンター、クラウドにおけるAI、セキュリティー等に焦点が当てられている。その中で明らかになったことは、開発者が別のクラウドに移行する際に最も重要視する点だ。開発者は「より高速なパフォーマンス」、「より優れたベンダーが提供するデータベース」、「より優れた技術サポート」を移行理由としてあげている。セキュリティーも移行の理由に含まれる可能性がある。というのも、現在のプロバイダーが、しかるべきセキュリティー・ツールを提供していないと非難する開発者もいるからだ。

Evans Dataが年2回実施する「クラウド開発に関する調査」は、クラウド開発の最新トピックに関する新鮮なデータを提供している。クラウドにおけるAIや機械学習、Kubernetesやマイクロサービス、オーケストレーション、マルチクラウドやハイブリッドクラウド、データセンター等のピックが網羅されたこの調査は、進化するクラウド開発の状況について包括的で有意義な情報を提供している。取り上げたトピックの詳細については、https://evansdata.com/cloud の目次を参照のこと。

プレスおよびブロガーの方は、aakau@evansdata.com までお問い合わせください

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