鯨分限

伊東 潤氏が昨年出した小説で、和歌山県太地で捕鯨に生きた太地覚悟という棟梁の人生を描いた力作だ。 江戸末期から明治を生きた太地の人々を描いている。 kujira 太地で漁に使われる生きた言葉を詳しく調べている。よくもここまで調べ上げたと思う。 しかも現地太地で使われている言葉を利用しているので、はじめは戸惑ったが、慣れてくるとそれらの言葉の響きが心地よい。 もって生まれた天性、気力、体力、運を持って困難に立ち向かうが、時代に翻弄される。 米国船が近海で乱獲したことで鯨が捕れなくなり、追い詰められた漁民は無理をしてしまい大事故が発生する。 北海道にロシア人が出没し、アイヌ人にたばこやお酒に慣れさせて乱暴狼藉を働く。 覚悟はアイヌの住民と一緒に、ロシア人を退治する。 読後、しばらく余韻に浸った。  今年初めのブログをご参照ください。
Bhind “THE COVE” 捕鯨問題の謎に迫る
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